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ご挨拶

もう6年近く更新してませんので見ている人もいないと思いますし、
過去に書いた情報もかなり古い物なので、大半を非公開にしました。

人工授精とイシガメベビー、流動ろ材の話は残しておきます。

近況としては、特に変わらず金魚に亀に多肉にと、楽しくやっております。皆様も一度しかない人生を謳歌して頂ければと思います。

それでは。

2024.4 管理人


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コロンブスの卵って感じ? [流動ろ材]

秋の陽気が続いていましたが、2日ほど夏に逆戻り
とはいえ、朝晩は冷え込むので難しい時期です。

さて、ようやく、連休から取り掛かっていた改造がひと段落
今まで試行錯誤しながら使っていた濾過槽はこんな感じです。

IMGP0150.JPG


性能的には申し分なかったんですが、出口が詰まったりして
水が溢れ、ろ材が流出する事故が年に何度かありました。

流動ろ材は一度こぼして散らばってしまうと、回収が異常に困難。
特に芝などが生えているともう無理です。1日中機嫌が悪くなります。

そのイライラを極力解消して、さらに手軽に流動ろ材を使えないかと
考えること数年。ふと思いついたのがこの形。

IMGP0147.JPG


IMGP0148.JPG


散らばるのが嫌なら、完全に閉じ込めればいいじゃないかと。
流動ろ材が出回り始めたころにペットボトルを使ってやっていたことを
さらに突き詰めてみたら、この形になりました。ボール型濾過槽です。
(以降ボール)。簡単なつくりですけど色々と試行錯誤してます。

このボール1個で500リットルぐらいの水がろ過できるようですが、
まあ、亀や金魚は水を汚すので半分ぐらいの能力と考えています。

IMGP0149.JPG


これをそのまま容器にドボン。セットで、1本はエアストーンを入れて
容器全体の水を攪拌するようにします。するとあら不思議、濾過槽が
なくなって、魚のいる容器だけでろ過が回るようになりました。

このボール、屋外の使用ではめちゃくちゃ便利です。エアーがあれば
どこでも濾過槽が出来るわけです。サイズを小さくすれば当歳飼育の
浅いフネであっても十分に使えます。

実際、今年はこれの小さいものを当歳のフネに放り込んでおきました。
結果として、この酷暑であっても魚を大きく殺すことなく今まで来ています。
水換え時に昨年までのような匂いがすることもグッと減りました。

とはいえ、デメリットもあります。まずはエアー量が格段に増えること。
このボールを使う場合には、セットで必ずもう1本エアが必要です。
そうしないと底水が回らず、いい感じになりません。
また、夏場にボールだけでは酸欠を起こしやすいです。
なので、ボールを使うならブロアの使用が必要になります。

次にメンテナンスに癖があること。ボールの表面が詰まると、
水面にボールが半分以上顔を出すようになります。
そうなると、内部の流動ろ材が上手く攪拌せず、能力がでません。
そうならないためには、定期的に表面をたわし等でこすります。
数が多くなれば、このひと手間が面倒に感じるかもしれません。

最後に、凍結させるとろ材がボロボロになるので、冬場は
凍らないようにして保管しておく必要があります。

この辺のデメリットを屁とも思わず、見た目にも拘らない人なら
この使い方は非常にオススメです。

・・・とはいっても流動ろ材が手に入りにくいんだよなぁ・・・。



イシガメベビーを水カビから守るには [イシガメベビーの管理法]

カメ飼育者の方々にとっては孵化のラッシュも落ち着く時期です。
ベビーの飼育ってのはなかなか癖がありますんで大変ですが、
種によっては一定のコツさえ押さえればさほど面倒ではありません。

身近な種でありながらベビーの飼育で結構苦労するのがニホンイシガメ。
ベビーはとにかく皮膚病が出やすいので、初期の飼育は気を使います。

1番簡単なのは日の当たる屋外で飼育することなんですが、少しでも
天候不順が続くと、屋外での飼育でも皮膚病による被害を免れません。
そのような時には対処法を知らないと手遅れになることもあります。

毎年8~11月にかけて、その年孵化したイシガメのベビーが出回ります。
そんな時期だからこそ、管理法と皮膚病の対処法をまとめようと思います。
今回は孵化から餌付けまでの流れも書いておきます。

1.孵化

孵化したイシガメの子はまだ腹に卵黄が残っていてヘソのように見えます。

IMGP1548.JPG


これが完全に腹甲内に吸収されるまでは、孵化容器のなかで養生します。
孵化容器の中にまだ孵化していない卵がある時は、湿らせたミズゴケを
別途用意して孵化容器と似たような温度で養生させます。

ヘソが吸収されるまでの数日間は特にエサや水は必要としませんので
この間に、飼育用の容器をゆっくりと準備できます。

2.餌付け

ヘソが完全に吸収されるとこんな感じになります。

IMGP0084.JPG


ここまでくれば、水や餌を欲しだします。

餌食いには気温や水温も大きく影響しますので、餌をやるときには
気温は25℃、水温は20℃程度の環境を用意してやることも大事です。
9月ごろであれば日当たりのいい窓際で楽に確保できる環境です。

IMGP0083.JPG


ベビーは餌を探すときに水底を嗅ぎまわるように餌を探すので、
最初の餌は沈む餌がいいです。沈む餌が無ければ、水深を極浅くして、
浮餌に水を十分に含ませたものを撒けば問題ありません。

イシガメは比較的簡単に配合飼料に餌付きますが、野生採取個体等で
餌付きが悪いと感じる場合は、冷凍赤虫や乾燥赤虫、ミミズ等を使うか
配合飼料に冷凍アカムシを解凍したものを混ぜ、数分置いたものを
使用します。アカムシの量を徐々に減らして配合試料に慣れさせます。

3.初期飼育環境

うちの飼育容器で使ってる飼育用品はこんな感じです。

IMGP0082.JPG


ペットショップで売ってるような高級品は一切ありません。
ホームセンターで購入できる物の寄せ集めです。

電球はレフ球込みで1200円ぐらい、容器は200円のコンテナBOX、
石はガーデニング用の100円の溶岩石、皿は100均のやつです。
シェルターは素焼きの90円植木鉢を半分に切ったもので、
水切りとして、下に200円のプラスチックタイルを敷いています。

電球はあくまでホットスポットとして使います。紫外線のことは
気にしていません。今まで甲羅が柔らかくなったことも無いです。
ホットスポット直下は40℃ぐらいになるのがいいと思います。

とはいえ、週に1度程度は日光浴させてあげた方が良いでしょう。
自分も、休みの日などに1~2時間ほど屋外で日光浴させています。
ただ、必ず水を入れた環境で日陰を作っておきましょう。
熱中症による亀の死亡事故ってのは意外と多いです。

これらを組み合わせると、こんな感じになります。

IMGP0081.JPG


見た目は悪いですがメンテナンス性を重要視したらこうなりました。
管理としては水替えは毎日、全体清掃は週1といった感じです。
臭いが気になる場合には適宜全体清掃します。数が多いと
臭いが出やすくなるので、自分なりに簡素化してください。

ミズガメの飼育環境には見えないと思いますが、イシガメの場合は
皮膚病防止のためにも最初の1~2か月はこの様な環境が楽です。
本格的な水場デビューは甲長5cmを超えてからで充分です。

夜間はこの容器で飼育しないので夕方には皿を洗って乾かします。
餌は毎朝、皿に水を入れる時に水場に撒きます。

IMGP0080.JPG


夜はミズゴケや新聞紙を入れた容器に入れて、20℃以下に
下がらない場所(理想は25℃の環境)で眠らせます。

4.その後の飼育環境

餌食い等に問題なく順調に育ては2か月もする頃には体も大きくなります。
こうなれば、普通のミズガメの飼育環境でも問題ありません。
観賞魚用の上部ろ過を使うと、週1の水換えで十分管理できます。

この頃になれば餌は水に撒かずに湿らせたものを陸場の水際に置いて
水の汚れを抑えるような給餌も可能になります。

IMGP0091.JPG


汚くてアレですが、越冬用の管理場です。全体が保温箱に入ってます。
夏場はプラ舟ごと屋外に移動すればこの環境のまま管理できます。
今は先日皮膚病で回収した2歳イシガメが入ってます。もう治ってます。

冬眠させずに越冬する場合であれば水温を20℃程度に維持します。
気温も20~25℃を維持し、完全に乾くホットスポットも準備します。

夜は継続してミズゴケ等を入れた容器に入れて乾燥させます。
まだちょっとしたことで体調を崩す時期ではあるので予防措置です。
以降は状態を見ながら、徐々にプラケースへの回収をやめます。

5.皮膚病になったら

天候不順などで、活性が落ち、十分な甲羅干しができなかったり、
室内飼いできちんとしたホットスポットが用意されていないと
表皮が菌に冒され、俗に言う「水かび」が発生します。

初期症状であれば皮膚に白っぽい綿が付いたように見えます。
放っておくと殺してしまうので、早期に治療します。

治療に使うのは、メチレンブルーです。魚用の薬ですがカメにも使えます。
魚を取り扱っている店ならばほぼ間違いなく置いてあります。
魚に使う濃度より濃いめの濃度で数時間薬浴します。カメが青くなりますが、
そのうち消えますので気にしないでください。

数時間の薬浴後は、新聞紙を敷いたプラケースに入れ、半日乾燥させます。
日向の乾燥は脱水症状が怖いので暖かい場所で陰干しがベストです。

以降は温度と水温の条件が良い場所で1週間ほど様子を見ます。
治療後すぐに餌を食べる体力があれば特に問題なく回復します。

・・・まあ、こんな感じです。イシガメベビーの飼育で最も大事なのは
しっかりと乾燥させてやることです。紫外線以上にホットスポットの温度が
重要ですので、その辺を間違わない方が良いと思います。

今回の方法はかなり常識外れのような管理に見えると思いますが、
毎年この管理法でベビーは全く問題なく大きく育っています。
自分にあった管理法を見つける一助になれば良いと思います。

では良きイシガメライフをお過ごしくださいませ。

流動ろ材について [流動ろ材]

最近、流動ろ材の問い合わせが立て続けにあったり
濾過槽製作後の感想が聞きたいとの話もあったので
簡単にまとめてみます。

流動ろ材を使いだしてすでに5年ほど経ちます。

IMGP1897.JPG


最初は少量での導入でしたが、徐々に使用量が多くなり
今では18㎏程度の流動ろ材を使用しています。
上のような濾過槽が現在は4つ稼動しています。

ここまで増えたのはやはりその性能に惚れ込んだからです。

現在は金魚とイシガメの濾過槽に使っていますが、
夏場であっても、性能不足に感じることはありません。

自分の周囲にもお試しとして配ってみたところ、
金魚、熱帯魚、エビ等においても良い結果が得られたようで
「手持ちを全部譲ってくれ」と複数人から言われてしまい
結局、手持ちの予備まで出す破目になってしまいました。

色物アイテムのように感じている方もいるとは思いますが、
少なくとも自分の周囲の濾過にうるさい面々には
流動ろ材の性能は驚きとともに歓迎されたようです。

もちろん、問題がないわけでもありません。

まず、致命的なのはその入手ルートの少なさ。
大量に使用したくても、ネット上で売っているのは
チャームの100gの小分けのみだと思います。

以前、私は製造元に確認をして購入の意思を伝えましたが、
下水処理用であることや、目的外の使用者には売れないこと、
魚に使用するには特殊処理が必要だとの話をされ断られました。
 
ただ、その際、魚用に処理をかけている方を紹介していただき、
そちらとの交渉でようやく入手することが出来ました。

とはいえ、そちらでも個人への販売は初めてとのことで
処理の問題上、最小でも25㎏でしか販売できないことや
値段的にも安いものではないことを了承のうえ購入しました。

普通、たかがろ材にここまでする人間は少ないと思います。
大体、数か月に1回程度の頻度で、購入希望のメールが来ますが
上記のことを伝えると、皆さん尻込みしてしまいます。
「それでも買う」と言ってくれた方は1名だけです。

次に面倒なのは一般的な濾過槽では使いにくい点と
取扱いに慣れが必要な点です。

これは自作が好きな人や、少量利用の方であれば問題ないですが
それなりの量を使う場合には結構なネックとなります。

取扱いについては、直径4mmのスーパーボールを想像してください。
下手に落とせば跳ねながら四方に飛び散ってしまいますので
こぼしたりしたら、回収は本当に面倒です。

それと、流動ろ材は凍結に弱いです。冬場に水の外に出た状態で
凍らせてしまうと、解凍してもボロボロになってしまいます。
屋外使用の際にはこの点には十分に注意する必要があります。
(濾過槽内で十分に曝気されていれば、関東では凍りません)

ちなみに、問い合わせで多いのは、濾過槽に対する使用量です。
これは、流動ろ材を入れる部分の容積で決まります。
販売元の話では容積部分の10~15%の量が適量となっています。

10リットルの容積があれば、流動ろ材の量は1~1.5リットルです。
比重はほぼ1なので、グラム換算すれは1~1.5㎏です。

ですので、1リットルのペットボトルを濾過槽に使うのであれば
濾材の量は100~150gで済みます。このくらいの量であれば、
チャームでの販売量で十分に賄えますので、お試しには最適です。

個人的な感じでは、1リットルのペットボトルサイズであれば
普通に魚を飼っている分には水量100リットルまでは処理範囲です。
当然、有機物の処理によってpHが下がりますので、水替えは必要です。

最後に、流動濾材を使ったイシガメ池に入れてある金魚です。

IMGP1896.JPG


有機物が十分に処理されているようでイシガメの糞などの栄養も
豊富なんでしょう。当然、いくら栄養があっても水が悪くては
冬眠明けでこのようにはなりません。水は年中茶色ですが、
状態が悪くないことはこの魚を見ればわかります。

受精率とか孵化日予想とか [初心者向け人工授精法]

金魚の場合、水温さえ分かっていれば、
受精から孵化までの日数予想が簡単にできます。

予想には積算温度と呼ばれるものを利用します。
以下の式に当てはめて計算します。

・積算温度÷1日の平均水温=日数

金魚は積算温度が100℃になると孵化すると言われています。
また、金魚の孵化に理想的な水温は20℃とされているので、

・積算温度(100℃)÷1日の平均水温(20℃)=日数(5日)

となり、受精から5日目に孵化するようにすると、いいようです。
まあ、完全にコントロールするのは難しい話なんで、
うちの場合は4.5~5.5日の間で孵化する感じでやってます。

次に受精率の話

20℃付近で卵の養生を行った場合、翌日になると
受精卵か未受精卵かの判別がつくようになります。
3日目になると目が出来るので、完全に判別できます。

下の画像は受精直後の卵です

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全ての卵が飴色です。産卵直後の卵はこんな感じです。

次の画像は産卵翌日の卵です。

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所々に青白く濁った卵が見えます。これが未受精卵です。
ちょっと分かりにくいかもしれないので、分かりやすいのを次に

P1030475.JPG

未受精卵はメチレンブルーが内部にまで入ってしまい、
青く染まる上に内部が白濁してしまいます。

上の画像で、受精率85~90%程度で、80点くらい、
下の画像でも受精率は60~70%程度で、50点くらいです。
 ※上の画像は、人工授精の説明ページで写真を使った卵です。
  あの程度の精子量でも十分に受精することが分かると思います。

どちらも同じ手順で人工授精していますが、
卵や精子などの状態でこのように差が出てしまいます。

これを防ぐ手段は私にはよく分かりませんが、
心配ならば、人工授精の際に精子を多めにつかってみると
少しは改善すると思います。

最後は、いい感じに受精した卵です。
3日目なので目も出ていますし、未受精卵も少ないです。

P1030481.JPG

いつもこんな感じで受精してくれると嬉しいんですけどねぇ。
腕も経験もまだまだ足りないようです。
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