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流動ろ材について [流動ろ材]

最近、流動ろ材の問い合わせが立て続けにあったり
濾過槽製作後の感想が聞きたいとの話もあったので
簡単にまとめてみます。

流動ろ材を使いだしてすでに5年ほど経ちます。

IMGP1897.JPG


最初は少量での導入でしたが、徐々に使用量が多くなり
今では18㎏程度の流動ろ材を使用しています。
上のような濾過槽が現在は4つ稼動しています。

ここまで増えたのはやはりその性能に惚れ込んだからです。

現在は金魚とイシガメの濾過槽に使っていますが、
夏場であっても、性能不足に感じることはありません。

自分の周囲にもお試しとして配ってみたところ、
金魚、熱帯魚、エビ等においても良い結果が得られたようで
「手持ちを全部譲ってくれ」と複数人から言われてしまい
結局、手持ちの予備まで出す破目になってしまいました。

色物アイテムのように感じている方もいるとは思いますが、
少なくとも自分の周囲の濾過にうるさい面々には
流動ろ材の性能は驚きとともに歓迎されたようです。

もちろん、問題がないわけでもありません。

まず、致命的なのはその入手ルートの少なさ。
大量に使用したくても、ネット上で売っているのは
チャームの100gの小分けのみだと思います。

以前、私は製造元に確認をして購入の意思を伝えましたが、
下水処理用であることや、目的外の使用者には売れないこと、
魚に使用するには特殊処理が必要だとの話をされ断られました。
 
ただ、その際、魚用に処理をかけている方を紹介していただき、
そちらとの交渉でようやく入手することが出来ました。

とはいえ、そちらでも個人への販売は初めてとのことで
処理の問題上、最小でも25㎏でしか販売できないことや
値段的にも安いものではないことを了承のうえ購入しました。

普通、たかがろ材にここまでする人間は少ないと思います。
大体、数か月に1回程度の頻度で、購入希望のメールが来ますが
上記のことを伝えると、皆さん尻込みしてしまいます。
「それでも買う」と言ってくれた方は1名だけです。

次に面倒なのは一般的な濾過槽では使いにくい点と
取扱いに慣れが必要な点です。

これは自作が好きな人や、少量利用の方であれば問題ないですが
それなりの量を使う場合には結構なネックとなります。

取扱いについては、直径4mmのスーパーボールを想像してください。
下手に落とせば跳ねながら四方に飛び散ってしまいますので
こぼしたりしたら、回収は本当に面倒です。

それと、流動ろ材は凍結に弱いです。冬場に水の外に出た状態で
凍らせてしまうと、解凍してもボロボロになってしまいます。
屋外使用の際にはこの点には十分に注意する必要があります。
(濾過槽内で十分に曝気されていれば、関東では凍りません)

ちなみに、問い合わせで多いのは、濾過槽に対する使用量です。
これは、流動ろ材を入れる部分の容積で決まります。
販売元の話では容積部分の10~15%の量が適量となっています。

10リットルの容積があれば、流動ろ材の量は1~1.5リットルです。
比重はほぼ1なので、グラム換算すれは1~1.5㎏です。

ですので、1リットルのペットボトルを濾過槽に使うのであれば
濾材の量は100~150gで済みます。このくらいの量であれば、
チャームでの販売量で十分に賄えますので、お試しには最適です。

個人的な感じでは、1リットルのペットボトルサイズであれば
普通に魚を飼っている分には水量100リットルまでは処理範囲です。
当然、有機物の処理によってpHが下がりますので、水替えは必要です。

最後に、流動濾材を使ったイシガメ池に入れてある金魚です。

IMGP1896.JPG


有機物が十分に処理されているようでイシガメの糞などの栄養も
豊富なんでしょう。当然、いくら栄養があっても水が悪くては
冬眠明けでこのようにはなりません。水は年中茶色ですが、
状態が悪くないことはこの魚を見ればわかります。