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人工授精のやり方1~準備~ [初心者向け人工授精法]

なんだかんだ言いつつも、産卵の季節は近づいてくる。
で、今年初めて人工授精にチャレンジしたい人向けの

・超初心者向け人工授精法

を今週にでも書きます。
昨年も書いたけど、埋もれて探すのが面倒だし、
この1年で使いたい道具も変わったので。

世の中には、リンゲルや注射器を用いた人工授精も
ありますが、ここではそんなものは使いません。

あくまで、個人的な認識として、
リンゲルは精子を動かさないために使うものと理解しています。
なので、大量の卵に少量の精子を使う場合の精液希釈や精液の
一時的な保存には向いてますが、私のような小規模でいいかげんな
人工授精には必要ありません。飼育水で十分に受精します。

うちの場合、人工授精の段階で必要なのは、

・サランラップ
・小鉢
・洗面器(2個)
・飼育水
・精子の出る♂と卵の出る♀
・人工授精をやる勇気のある人間
・朝出勤前の貴重な時間(30分~1時間)

です。道具は近所のスーパーや100均で揃います。
魚はなんとか準備するしかありません。人は、当然自分自身です。
時間は早起きするなり、会社を遅刻するなりして工面します。
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金魚の人工授精をやってみる [初心者向け人工授精法]

*大体完成。画像はクリックで拡大
 この記事関して、分からない部分についてはコメントください。
 知っている範囲で答えます。

さて、準備が整ったら、いざ人工授精。

これからの時期(4~6月)、朝、♂が♀を追い回しているのを見つけたら、
産卵の合図です。動画のように結構激しいです。



※動画では既に自然産卵が始まっている状態です。
 既に産卵済みで卵が取れない場合もあります。
 それを避ける手段としては、♂♀を事前に隔離飼育します。
 隔離方法はネットで仕切る等色々ありますので、
 自分にあったものを選択してください。

1.まず、♂と♀を別々の洗面器に掬いあげます。

 この時、♀が掬った拍子に卵をばら撒く感じならば
 人工授精も簡単に出来ます。逆に卵をばら撒かないようなら
 ♀の腹を軽く押して卵が出るか確認します。

2.次に、小鉢にゆるくサランラップを被せて
 その上から飼育水を小鉢の半分くらい入れます。

P1030423.JPG

P1030425.JPG

 卵は水と触れると、表面が次第に粘着質になり、
 周囲の物にしっかりと付着するようになります。
 しかし、サランラップを被せると、ある程度卵が粘っても
 小鉢にくっついてしまうことはありません。

 ※サランラップ以外にワセリンを使う方法もありますが、
  小規模ならばサランラップの方が楽です。

3.次に、♂の精子を小鉢に絞ります。図を見てください。

02-2.JPG

P1030462.JPG

P1030463.JPG

 精子の量はそんなに必要ではありません。
 写真のように小鉢に入れた水が少し白濁する程度でOKです。
 精子は水に触れた途端に活動し始めます。
 活動時間はそれほど長くないので、手際よくやります。

4.次に、♀の卵を小鉢に絞ります。絞り方は3の図と同じです。

P1030464.JPG

 最初は怖いので、無理に押さずに出るだけ出して
 終わりにした方がいいです。最後の頃になると、
 卵が連なって葡萄のようになったものが出てきます。
 できれば、これが出る前に止めた方がいいです。
 卵は水に触れたものから粘着性を持ち始めるので
 手際よくやります。

 ※うちでは、精子と卵を絞った親は、そのまま飼育水槽に
  戻しますが、心配ならば♂♀を分けて養生させます。

5.次に、小鉢を全体的に15秒程度撹拌して、受精させます。

 これ以上時間をとると、卵同士がくっ付いてしまって、
 塊になってしまいます。塊になる前に次に行きます。

6.次に、洗面器に水を入れ、小鉢の卵をばら撒きます。

P1030466.JPG

P1030468.JPG

P1030469.JPG

 卵同士がくっ付かないように、洗面器の底にまんべんなく
 撒き散らします。ばら撒いた後、30分ほど放置します。
 時間が無い場合は次にいきます。
 
 また、産卵直後の卵は非常に潰れやすいです。卵は数時間かけて
 吸水して膨らみ、殻が張ることによって潰れなくなります。
 ですので、初めての場合は洗面器に産卵させたほうが安全です。

 ※写真では網状の産卵床を使っています。うちの場合、洗面器に直接
  ばら撒いてしまうと、数が多すぎて洗面器がなくなってしまうためです。
  (産卵床については、後日詳細を書きます

7.孵化容器に洗面器を浮かべ、20℃程度の水温を保ちます。

 うちの場合は、この状態までやってから仕事に出かけて、
 帰宅後に洗面器の水を全部換えて、孵化容器に洗面器を沈めます。
 その際、メチレンブルーを適量入れます。余分な精子による水質悪化と、
 未受精卵の水カビによる受精卵への被害を防止するためです。

 ※産卵が大量にある場合は、産卵床を使用しないと
  孵化容器に卵が入りきりません。

P1030471.JPG

 無事に受精していれば、水温20℃近辺の場合、
 3日目の朝には目が見えてきて、5日目には孵化します。

 ※水温20℃近辺というのは、埼玉水産試験場や昭和期に金魚の研究が
  行われていた時代の結果を見る限り、最も稚魚の形質が安定して
  出てくる温度域と言われています。数を取れる場合ならばいいですが、
  小規模の場合、卵数が少ないですから、20℃キープがお勧めです。

まあ、こんな感じです。
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